新型コロナの転職市場への影響は?

転職ノウハウ

こんにちは、KAIです

今回はお客様からも最近質問される頻度が急激に増えた
「新型コロナウイルスが転職市場に及ぼしている影響」について記載します

・実際コロナウイルスの影響で何がどう変わったのか?
・対策できることはあるか?今後どう変わるか?

という視点で記載していきますので、よろしければご一読ください!

新型コロナの出現でどう変わった?

「コロナウイルスの影響ってどうですか?」
「面接は通常通り実施されますか?」
「書類選考にも何か影響はあるのでしょうか?」

こんなことを先週1週間で10回以上は候補者様から聞きました。
東京都が不要不急の外出自粛宣言をしている中、転職活動への影響度は知りたいところですよね。

転職エージェントとして日々企業の採用活動・個人の転職活動に従事する中で
感じていることは「これまでとほぼ変わりなく選考継続している企業様もあれば、明確に影響が生じている企業様もある」に尽きます

正直メーカー業界や医療業界、IT業界などは現時点では特にあまり影響ないと感じるところが多く、通常通り選考してくださいます
(もちろん対面面接は避けWeb面接にて実施される企業は多いです)

言い換えればそれ以外の業界の企業は明確に影響が出てます。

こんな状況でも求人はあるの?

「新型コロナウイルスの凄まじい影響がある中でも求人は発生するの?」

結論からいうと求人は発生します

求人が発生するそもそもの理由から考えるとわかりやすいと思います。
その理由は「増員」か「欠員」しかありません。

増員の場合は「需要が増えたため既存のメンバー数では業務を回せなくなったから新しく人を採用する必要がある」という意味合いですが、これはつまり人を採用しないと取り逃がす利益があるということになるので、このコロナの状況であっても採用活動は継続します。

欠員の場合は「人が退職してしまったり産休に入って人員が不足してしまったからそれを補うために補充したい」というものです。これも言い換えれば人を増やさないとこれまで通りの業務を回せなくなるということになるので、普通であれば採用活動は継続します。

人が職を変える権利は憲法で守られていますからどんなご時世・状況であれ、
人が転職することを止めることは誰にもできません。

だからこそ明日もいつも通り新しい求人は発生しますし内定も出ます。

むしろ今までが景気が良かっただけ

「じゃあ反対になんで求人がクローズすることがあるの?人が必要だから求人ができたのに人を採用しないで中断するのはおかしい!」と言いたくなる方がいるかもしれませんね。

これは買い物を想像するとわかりやすいかもしれません。
みなさんはこれまでに「買ったけどあんまり使わず捨てた物」って何かありませんか?
「買ったけど腐らせてしまった食べ物」でもよいです。

当初は必要だと思って買ったはずなのに、気がつくと使っていなくて捨てるというのは誰しも経験があると思います。

でも例えば日々の買い物で「今月は1万円しか使っちゃ絶対ダメ」と制限をつけられていたらどうでしょうか?おそらく絶対に必要なものしか買わなくなると思います。

今、企業は不安という制限が付いている状況で採用活動をしています
財布のヒモが固くなっている状態です。

財布のヒモがゆるい状態で買い物リストを作り、いざ買い物に出てみたら、
制限をつけられてしまったので、必要性を再検討したら後回しで良かったからリストから削除した。

簡単に言えば「まああれば使うんじゃね?と思ってたけどやっぱり今は要らんわ」となっても不思議ではないと思います。

コロナの影響で今採用する必要性を真剣に再検討せざるを得なくなり、
その結果優先度が低いことがわかり求人をクローズしたということですね。

これに関しては転職エージェントにも採用の必要性を中長期的な視点で明確にできていなかったという反省点が残りますが、企業も結局は人の集まりなので感情で判断したり矛盾が生じる部分があるという前提を持っておくと精神衛生上いいかもしれません。

採用中断しない企業は?

本当に企業によるので一概には言えませんがKAIとしては主に下記4つのどれかが当てはまれば採用継続となる可能性が高いと感じています。

潤沢な資金がある

わかりやすく言えば超絶大企業ですね

このような状況であっても会社に十分なお金があるので、
「コロナのせいで利益が落ちたけど、でもこのポジションに人を増やさないと3年後の利益がもっと下がるから求人継続しよう」と言えます。その分の資金があります

こんな状況ではありますがエージェントに紹介料(Fee)を500万円以上支払える企業もあります。
※人材業界のビジネスモデルについては過去記事をご覧ください。

コロナの影響でむしろ需要が増えた

最近CiscoさんのWebExのCMをよく見ます。
https://www.webex.com/ja/video-conferencing.html

Web面接を可能にするサービスですね。
他にもzoomやGoogleハングアウト, Skype, Whereby, HARUTAKAなどたくさんあります。

対面での面接が難しくなってしまったのでWeb面接を促進する流れが出てきていますが、言い換えればそのようなサービスを提供している企業は人員を増員する必要が今後生まれやすく現行の求人はクローズしにくいですね

※ツイートには載せませんでしたが、アダルト業界も需要が爆増しているようです。人の三大欲求に根ざした事業は強いですね笑

もともとこういう非常時にも対策ができていた

当初からこういう非常事態に備えて資金を余分に保管できていたりWeb/電話面接の準備、リモートワークの促進などを進めてきていた企業は変わらず選考を実施されていることが多いです。

震災やリーマンショック、房総半島台風から学びそれをちゃんと経営に生かしているのはとてもすごいですね。

採用の必要性をはじめから正確に把握できていた

「緊急事態であるのは分かるけどこのポジション採用しないとウチはやっていけなくなるから」と言えるぐらいに全ての求人の必要性を完璧に言語化できている。

なんとなく必要そうだからと衝動買い・無駄買いをしない企業ですね。

資金繰りは厳しい状況が続くかもしれませんが、それでも事業と社員(人材)の紐付けが上手いので、今後も伸びるのではないかと勝手に思っています。

転職を何も考えずに先延ばしにしない

個人的には意識・マインドセットを変えることからスタートすると良いと思っています。

上述した通り、これまではむしろ景気が良かったです。
「とりあえず採用するか」と言えた時代です。これからは違います。

実際たとえば最終面接の評価軸が5段階あったとして「これまでは3でも採用していたけど今は5に近くないと内定は出さない」のようになっていることが多いです。

このような内定を勝ち取りづらい状況でも「本当に私は転職したいのか?現職を続ける選択肢はないのか?」と今一度気持ちを整理することからはじめましょう。

「コロナが落ち着いたら転職活動を再開しよう」とただ先延ばしにするのはオススメしません
なぜならコロナが落ち着くのは何年先になるかわからず、又、落ち着いたとしてもこれまでのような景気に戻ることはおそらく何十年も先です。

「コロナが落ち着いて転職活動すれば、きっともっと私に合うところがあるはず!」と
自分に無責任に楽観的になるのではなく
「現職でどうにかする方法はないか?副業で希望を叶えられないか?どうすればもっと現職で経験を積めるのか?ライフスタイルが変わっても継続できるか?」と計画を練りましょう。

アフターコロナ(コロナが終わったら)ではなくウィズコロナ(コロナありきで)という視点が大事です。

※もちろんセクハラやパワハラ、過剰な長時間労働など心身に悪影響を及ぼすような現職なのであれば即刻退職したほうがいいです。
上司は「コロナだし辞めないほうがいいって」と止めてくるかもしれませんが、
コロナ起因の死亡者は60名程度で、仕事が理由で自殺されたお方は毎年2000名を超えます。仕事は日常に密接に関連するため、命に別状はなくとも精神疾患などの後遺症が残ってしまったお方もたくさんいます。
健康であれば何とかなりますので、身体を大事にしましょう。

その転職に必然性はありますか?

私は本業で転職エージェントをやっていますが、
「転職しないで済むなら転職しないほうがいい」と常々候補者様にも言っています。

転職はあくまで手段であって、何でも希望を叶える魔法では決してありません

計画をちゃんと練らなければ転職をしてより悪い状況になってしまうことだってあります。
だからこそ現状をどうにかできないのかを考えることが何より大事です。


コロナの影響で不安が大きくなっているかもしれませんが、それは会社も同じです。
社員に給料を支払う義務がある以上こんな状況であっても事業を継続して利益をあげなくてはいけませんし、利益が足りなくなれば派遣社員や契約社員を解雇しなくてはいけなくなります

実際すでに雇い止めは多く発生しています。

■始まった「コロナ解雇」すでに1000人超…増加速度リーマン・ショック以上の深刻
「恐らく、解雇されたり雇い止めにあった1021人は、中小企業の従業員だったはずです。同じ1000人でも、大企業1社が1000人リストラするよりも深刻です。数多くの中小企業が、1人、2人と解雇したのでしょう。経営悪化が全国に広がっている裏返しです。なにしろ、コロナ自粛によってヒトとモノが動かない。小売り、飲食といった消費が凍りついている。最大の問題は、いつコロナ禍が終息するのか見えないことです。このままでは、雇用を維持しようと雇用調整助成金を利用している企業も、解雇に踏み切らざるを得なくなる恐れがあります

Yahooニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200401-00000032-nkgendai-life

極端な話ですが、もしあなたに仲良い派遣/契約社員の方が自社内にいるとして、その方が働き続けることができるかどうかはあなたを含む社員が利益をあげられるかどうかにかかっていると表現しても過言ではありません。

その方に気を遣って転職を遠慮する必要はもちろんありませんが、
現職でちゃんと給与分の責任を果たしてから、次の企業に入社したほうが気持ちいいはずです。

コロナの状況だからこそより一層転職の必然性について整理しておくことが大事だと思います。
もちろん自身で整理することが難しければ友人や転職エージェントに相談するのもアリです

具体的な影響は?

転職の必要性を実感でき「よし、それでもやるぞ」という気持ちになったお方に向けて、具体的な現在の状況を箇条書きで記載します。

書類選考結果が1ヶ月貰えない
当社から連絡しても連絡が返ってきません。
・人事が初リモートワークで慣れていない
・自社社員のコロナ対策で忙しい
・現場社員に書類選考をしてもらいたいが現場も忙しい
というような理由ですね
面接の日程調整は3週間保留
対面での面接実施がMUSTである選考フローであるため、状況が少し落ち着くまでは面接を実施できない
書類選考通過した企業が求人クローズとなる
上述した通り「改めて考え直したらやっぱり今選考してまで人が欲しいポジションではなかったです」というもので先週段階で自分の候補者様だけでも4件発生していました(特に事務職はこの傾向が顕著です)
最終面接が合格だったけど内定にならない
よく応募者が勘違いされることですが「最終面接合格=内定」ではないです。
ドローンの便利さを妻に説得して買う許可をもらったけど、いざ値段を見たらやっぱダメと言われた状況と同じです(喩えは要らんがなというツッコミは禁止です)
採用予算を鑑みた際に「ごめんなさい、やっぱり採用通知は出せません」となることはコロナが発生する前でも起こり得ていましたが最近は少し多い気がします。


こんなところでしょうか。
もちろん企業様の対応によりますしコロナがなくても上記のようなことは一部で発生していましたが、それでも結構衝撃的な事柄もあったのではないかと思います。

これが現状です。事実です。ここに不満を言っても仕方ありません。

だからこそ、やるべきことを考えましょう

※ちなみに「内定白紙」は起きていませんのでご安心ください。
まあ内定白紙=不当解雇なのでこれが頻繁に起きるようになったらいよいよ世も末ですが・・・

幅広めに応募する

書類選考の結果が遅かったり、求人がクローズになりやすいので、
少し希望と違うという求人であっても応募しておくと良いでしょう。

「やっぱり希望と違うから嫌だ!」となった場合は最後に内定を辞退すればいいだけです。

面接の練習や年収交渉の材料になるので、持ち弾はたくさんあるに越したことはありません。

企業に貢献できる点を明確にする

あなたがコロナで大変なように、企業もコロナで大変です。
その中で雇用を生み出すために頑張っているんです。まず敬意を持ちたいですね。

面接の時間を用意してくれたことに感謝しつつ、次回もまた話したくなるように思ってもらうためには
「あなたを採用したら当社にどんなメリットがあると思いますか?」
この質問に応えられることが大事です。

こんな直球で聞かれることはまずないですが面接で聞かれる質問の全てはここに繋がっています。
言い換えるとこれに回答するためには面接で重要な要素がたくさん詰まっています。

①自分の経験を棚卸しできていること
②企業理解がちゃんとできていること
③ ①と②を紐付けて話せること
④転職する理由に納得感があること
⑤貴社なら現職と同じにならないと言い切れること

どれかが欠けても面接官は「うーん・・・」となってしまう可能性が高いです。

「人柄がいいから採用!」と長期的な視点を重視して採用通知を出してもらえることは減っているので、短期的に貢献できることをアピールしましょう。

現職も本気でやる

必ず現職の業務も120%でやり切りましょう。

「大変な状況だし別にやっても変わらないでしょ」と手を抜くのはお勧めしません。

本当に先が読めないので求人が全て消え去ってしまう可能性もゼロではないです。
そうなった場合、現職でキャリア・経験を積む必要性が出てきます。

こういう非常事態に人の本性が出やすいので、ここで頑張れる人は高く評価されます。

少しでも自社の利益を上げられるように頭と身体を最大限使いましょう。
もちろんKAIも現職で必死に頑張っています。

ネガティブシミュレーションを心がけましょう

最後に、このコロナの状況になってKAIがまっさきに思い出した言葉を紹介します。

「ポジティブシンキング(未来の可能性を信じる)は重要ですが、
ポジティブシミュレーション(現実を甘く見る)は極めて危険です。
ネガティブシミュレーション(絶望的現状把握)・ポジティブシンキング(肯定的未来予測)を心がけましょう」

「テトラポッドに札束を」 和佐大輔さん https://amzn.to/2X9f83f

著者の和佐さんは、海岸沿いにあったテトラポッドから海へ飛び込み海面下にあったテトラポッドに首を打ち13歳という若さで頚椎損傷になりました。首から下の運動機能をすべて失いながらも、割り箸を口に加えてネット上でビジネスを作り出し17歳で月収1000万円になったお方です。


「いずれコロナへの薬が発明されるだろう」
「コロナが落ち着けば景気も元に戻るだろう」

このように自分の将来に対して無責任になってはいけないとKAIは強く感じました。
現状を把握するときは絶望的に、それでも未来は明るいと可能性を信じる。


『何かやっておかないと』

外出自粛と言われはじめはゲームや漫画ばかり読んでしまっていましたが、
ちゃんと読書や勉強、アウトプットをするように変えました。

みなさんはどうですか?


みなさんの仕事と日常が、より未来に繋がるものとなりますように。

以上、KAIでした

Profile
KAI
KAI

▼偏差値30台高校から中央大学へ入学。量子力学専攻(物理)→教員免許(数学)を取得→卒業後は塾講師(英語)になるというアホさの持ち主
▼PR会社で法人営業・大手人材会社でキャリアアドバイザー(転職エージェント)を経験
◯カウンセリング実績は3000名以上!!
◯顧客親密事例賞を多数獲得&全社1位獲得経験!!
◯小学生へキャリア教育、社会復帰支援、うつ病経験者の就業支援、NPO支援にも関与
→面接対策やキャリアのご相談は名前をクリックしてみてください!
▼ビジョン
『もっとはたらくを気軽に話せる世の中に』

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